今回のF1は面白かった!

雨が降ったということもあるが、今回のハンガリーGPはレース展開がまったく読めず、見ていてはらはらどきどきだった。


予選でトップタイムを出しながらも、ペナルティ(フリー走行中の追い越し禁止無視)により12位に沈んだフェラーリ・ミハエルと、ミハエルに次ぐタイムを出しながらも、同じくペナルティ(フリー走行中の危険走行)によりそのミハエルよりもさらに下位に沈んだ(15位)が、スタートと同時にどーんと飛び出していくのは予想できたのだが、その後が予想外の展開。


予選はドライ、レースはウェット。予選ではすばらしいパフォーマンスを見せ付け、ここのところ好調なフェラーリを支えているブリジストンのレインタイヤが、ミシュランのそれに比べると著しくタイムが伸びないことがわかった。雨に強いブリジストン、と言うイメージがあったのだが、今回のブリジストンタイヤはどうにもならないようで、スタートダッシュに成功したもののその後はずるずると順位を下げていくブリジストンフェラーリ。抜きにくいハンガロリンクなのに、後続にどんどん追い越されていく様はちょっと衝撃映像。


で、このまま終わるかと思ったら、雨がやんで路面が乾いてくると今度はブリジストンのパフォーマンスがミシュランを上回り、ぐんぐん順位を上げてくる。


その間、トップを走っていたメルセデスライコネンがスロー走行中のマシンに激突・大破すると言うこれまた衝撃映像が。ライコネンらしくないミスだなあ。


そして、トップに立っていたアロンソも、このライコネンの事故でセーフティカーが入ったことによりマージンを失い、予選14位スタートながら2位まで順位を上げてきたホンダ・バトンに追いつかれてしまう。コースは乾いてきてドライタイヤのほうがタイムを出しつつある状況、アロンソもピットでタイヤ交換をするが、ピットアウト時にアロンソがいきなりふらつき、1コーナーを大きく回ってしまう。そしてその先の2コーナーでバランスを崩してコースアウト、リタイアとなる。


ドライタイヤなのでぬれた路面でスリップしたのかな、アロンソらしくないミスだなあと思ったら、どうやらピット作業のミスで右のリアタイヤのナットがしっかり締まっていなかったらしい。で、それが外れたことでバランスを崩したんだってさ。そういえばスピンの瞬間何かが飛んでいったなあ。


シリーズチャンピオン争いを続けているアロンソが消え、さらに2位にまであがってきたミハエルはこのままレースを終えればポイントさも一気に縮められる、と思ったのだが、ここまでインターメディエイト(ドライとレインの中間のタイヤね)ですばらしい走りを見せてきたフェラーリにとりコースが予想以上に乾くのが早かったようで、ドライタイヤに履き替えてきた後続マシンにどんどん追いつかれ、そして追い抜かれてしまう。残り周回もあとわずかだったのでこのまま抑えきれると思ったのかなあフェラーリ陣営は。


で、このインターメディエイトで最後まで走りきろうとしたフェラーリの判断は、結局ミハエルのリタイアと言う結果に。ぼろぼろとなったタイヤでマシンコントロールもままならなくなったミハエルは、最終的に3位に入ったBMWハイドフェルドに追い越される際に軽く接触、それが原因なのか不明だがマシンはスローダウンし、ピットに戻ってくるもそのままガレージに入りリタイアとなってしまった。


で、上位陣が総崩れとなった中、ホンダのバトンが優勝。なんでもオールホンダ(車体もエンジンもホンダ、と言う意味ね)になって39年ぶりの優勝を飾った。


というか、バトンもこれが初優勝なのね。何度も表彰台にあがっていたからもう優勝していると思ったけど、ちょっと意外だったなあ。


と、言うわけで、もしドライコンディションだったらおそらくフェラーリVSルノーの優勝争いになったであろうレースが、いたるところで抜きつ抜かれつの見ごたえのあるものになって大満足でした。まあレースしている人たちはそんな悠長なことを言ってられなかっただろうけどね(笑。


ここまでルノーフェラーリしか優勝していなかった今年のシリーズにホンダが食い込んできたわけだが、これで一気に波に乗ってきてくれれば面白いのだが、さてどうだろうなあ。次のトルコではまたフェラーリVSルノーになるのか、それとも今回、2戦連続で予選でポールをとりつつも不運にもクラッシュ・リタイアしてしまったマクラーレンがあがってくるのか。ここのところマクラーレンが好調なのでF1ファンとしてはホンダを交えた4強での激戦、と言うのを期待したいところですがさてさて。