亀田続き

メインにもちょびっと書きましたが、亀田の試合を見た後で実は先日録画しておいた名城VSカスティーリョ戦を見たんですよ、ええ。


あまり話題になってませんが、プロ8戦目で世界タイトルを取った名城の相手というのは、クラス最強と目されているエリック・モレルや、日本でセレス小林から散々ダウンを奪った強打者ムニョスを破っているチャンピオンで、はっきり言えばひじょ〜に強い選手だったのですよ。


で、パンチはあるものの名城は前評判では圧倒的に不利といわれていたのに、試合が始まってみればチャンピオンと互角以上に渡り合ってまして。1R終わり間際に鮮やかなカウンターの右フックでダウン寸前まで追い込まれたのに、その後は強烈な右ストレートでチャンピオンの左まぶたを切り裂き、その傷が広がってのレフリーストップで勝利したものの、途中までの判定を見るとほとんどのラウンドでジャッジが割れるぐらいの接戦だったのですよ。


名城の武器は強烈な右なのだが、試合を見てそれだけではないことがわかった。緩急のつけ方がうまく、ものすごいスローなパンチを出したかと思えば飛び込みざまのすばやい右を繰り出し、ディフェンスにも定評があるチャンピオンが名城の右に対応できない場面が何度もあった。


ダウンこそ奪えなかったものの、何度も右ストレートでチャンピオンの顔をはじくシーンがあり、傷によるストップがなくても名城が勝っていたのでは、と思える内容だった。


1Rにダウン寸前まで追いこまれ、その後はどっちとも取れるラウンドが続く、というのはどこかの亀田の試合と一緒ですが(亀田はダウンだったけど)、名城の勝利というのは相手が相手だけにものすごく価値があるものに思える。


勝った、世界チャンピオンになった、という事実は同じだが、誰もが納得するチャンピオンであるか、と言われたら。名城はそうだ、と答えられるが亀田は・・・。


亀田、次の試合は統一戦だ、WBC王者ブライアン・ビロリアとだ、なんて計画されているようですが、強打に定評がありクラス最強とも言われているビロリアに、今の亀田が勝てるだろうか。今回のランダエタ戦で見せた打たれもろさ、ディフェンスの甘さ、攻めの単調さ。カウンターセンスが光るシーンもあったが、ビロリアはWOWOWで見た限りパンチも早いし威力もあるし動きも早くディフェンスもかなりいい。今の亀田では、カウンターを決める前に試合が終わっているような気がしてならない。


もっとも、最後まで立っていれば亀田が勝っている、なんて言われそうだがね。と言うわけで亀田よ。もう一度ランダエタと試合をしてきっちり倒してくれないか。そうすれば普段のビックマウスも信じてあげよう。実力は本物だと言うことも認めてあげよう。だから、次の試合じゃなくてもいいから、もう一度ランダエタときっちりやってくれないか。


そう思うボクシングファンは、少なくないはずだ。