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ボクシング話。

巨漢でパンチ力はあるんだけど、動きが固くぶきっちょで、かっとなると平気で反則をしでかしてしまう暴れん坊、その癖にめっぽう強い奴の前ではびびって試合を放棄してしまう奴。

語弊があるかもしれないが、これが小生のアンドリュー・ゴロタ観。

はじめて見たのはマイク・タイソン戦かな。2000年の10月に行われた試合でタイソンの相手として登場したゴロタは、強面でいかにも強そうな巨漢だったのだが、タイソンのパンチを食らってダウンした後、目を負傷したとか何とか言って突然の試合放棄。

そのときのタイソンは全盛期の動きには程遠かったものの、踏み込みの早さ、パンチの切れはなかなかのもので、身長差がかなりあったのにもかかわらず頭を狙った豪腕フックが炸裂しダウンを奪い、さすがタイソン、と思ったものでした。

が、そのパンチはまともにヒットしてなかったもののおそらくゴロタ自身これほど強烈なパンチを食らったことがなかったのでしょう。ダメージがあるようには見受けられなかったものの突然試合を放棄。なんだかなあ、と思ったものです。

で、その“タイソンのパンチにブルって逃げた”ゴロタが、どういうわけか昨年ぐらいから世界戦線に復帰。まずIBF王者のクリス・バードに挑んだ。

この試合は相手がパンチ力のあまりないバードだったせいか持ち前の豪腕ぶりが炸裂。なかなかの攻めっぷりを見せるも、のらりくらりとパンチを受け流すバードにこれだ!という1発を当てれず、さらに後半失速してドロー。

そしてその後、WBA王者のジョン・ルイスに挑戦。2連続の世界戦となったわけですが、この試合では持ち前の強打が炸裂し、ジョン・ルイスから2度のダウンを奪う大健闘だったのだが、やはり後半失速しなんと僅差の判定負け。

パンチ力はあるものの、はっきりいうとそれしかない巨漢としか見えないゴロタなのだが、どういうわけか今回WBO王者のレイモン・ブリュースターに挑むことになって。

ヘビー級のタイトルマッチなんていうビックチャンスをなんと3回連続でつかむゴロタ、なぜこうまでして彼が対戦相手に選ばれるのかよくわからないのだが、過去2戦が接戦だったので各団体の王者の実力を比べるのにちょうどいい、と言う判断でもされたのでしょうか。<つづく>