驚愕の展開

ボクシング話。

スーパーウェルター級史上初めてとなる三団体統一王者決定戦となったWBCWBAチャンピオン、“シュガー”シェーン・モズリー vs IBFチャンピオン、ロナルド・“ウィンキー”・ライトの一戦。

これは注目の試合。スーパースター、“ゴールデンボーイオスカー・デラ・ホーヤを二度も破ったモズリー(ただしバーノン・フォレストには2度負けてるけど)が金字塔を打ち立てるのか。はたまた実力は誰もが認めるがいまいちぱっとしないライトが、この大一番をものにして一気にスターダムにのし上がるのか。

とにかくモズリーに比べるとライトはぱっとしません。実力はあるし戦績も華々しいし。でも見ていて派手さがないんだよなあ。モズリーは、常人離れしたハンドスピード、そこから繰り出すパンチは派手なKOを演出し、そしてデラを2度も破り名実共にスーパースター。

方やライトは毎回同じような試合。正確でしつこい右リードと鉄壁のガード、そして相手にペースをつかませない試合展開で、チャンスがあれば打ち倒すし、判定になればライトがポイントを奪っている。3敗している試合もすべてライトが勝っていた、といわれるぐらいきわどい内容だったようで、それだけいつもライトは自分のペースを崩さない試合をしてきているといってもいいのだろう。

ただ、今回は相手が相手だけに、いつものライトのようには行かないだろう。誰もがそう思って、いざふたを開けてみれば・・・・。

あの、すさまじいスピードとパワーを誇り、いつも会場を沸かせる試合をしてきたモズリーが、まったくといっていいほど見せ場を作れない。ライトのジャブをもらい、時折鋭い左を食い、返すパンチはガードを崩せず、スピードを発揮できず。

時々モズリーがとった、かなあ?なんてラウンドもあったけど、いつもだったら確実にモズリーといえるようなラウンドがほとんどなく、ライトペースで試合が進んでいく。

終盤にはあわやダウンを奪われるのでは、というぐらいまで追い込まれる有様。

試合は判定となったが、誰の目にもライトの勝利は明らか。最大6ポイント差という大差が付き、ライトが初代統一王者となった。<つづく>