大番狂わせ
今年、ボクシングの世界では大番狂わせが相次いだ。
ヘビー級では最強と呼ばれたレノックス・ルイスがハシム・ラクマンに右の一発でKOされた。
悪魔王子ナジーム・ハメドがマルコ・アントニオ・バレラに何もできずに破れた。
畑山がジュリアン・ロルシーに大差の判定負け。
KOアーティスト、フェリックス・トリニダードが死刑執行人バーナード・ホプキンスにボクシングのレッスンを受け、何もできぬまま“死刑執行”された。
ハシム・ラクマンがTV局からの巨額の契約を蹴って挑んだレノックス・ルイスとの対戦で、当然のように破れた。
・・・その大番狂わせの波は、K1の世界にも巻き起こった。
大本命バトルサイボーグ、ジェロム・レ・バンナが倒れることを知らぬサモアの怪人マーク・ハントにボコボコにされた。
ニコラス・ペタスが東欧のスコーピオン、アレクセイ・イグナショフの膝げりに鼻を折られた。
ピーター・アーツがフランシスコ・フィリオの肘ブロックに足の甲を砕かれた。
その、フランシスコ・フィリオの頭が恐ろしいほど薄くなった。これってshikatetsuへの啓示ですかぃ。
もう一人の優勝候補、アーネスト・ホーストが初戦を勝ち進むものの、アーツと同じように足の甲を骨折しリタイヤした。
そして、決勝では誰もが予想しなかった組み合わせ。マーク・ハントvsフランシスコ・フィリオ。
ここまですさまじい試合が続いたのに、最後の決勝だけは凡戦だったのも、やはり大番狂わせの波なのだろう。結局、フィリオはマーク・ハントを打ち崩せず、ハントもフィリオを打ち倒せず。延長の末終始攻勢にでたハントがまさかまさかの優勝。いやはや大番狂わせもここまで来ると笑っちゃいます。
まあ、それはそれ。とにかく優勝したマーク・ハントですが、ただ単に討たれ強いだけでなく(バンナのパンチにも倒れなかった)なかなかボクシングテクニックがあり、ガードもしっかりしていることがわかった。ストレートだけでなく、フックやアッパーなどもうまく使い分けているところなど、これはもしかしたらK1ではしばらくマーク・ハントの時代が続くかもしれない。
とにかくこのハント、いったいどうやったら倒れるんでしょうか?ハントが優勝したことよりも、ハントを倒せるやつが出てくるのかどうかの方が気になりますね。