ちょいとボクシングの話

先日放送されたWOWOWのボクシング番組『エキサイトマッチ』のビデオを見る。

試合は世界ライトヘビー級統一王者WBAWBCIBFという世界の有名な3団体すべての王者のことを、通常統一王者といいます)ロイ・ジョーンズと、WBA暫定王者(WBA1位)のリチャード・ホールの一戦その他。

今回日記で取り上げたいのはロイ・ジョーンズ。ライトヘビー級って言うのは168〜175ポンド(79.38キロ)の体重の選手が戦うクラスで、はっきり言って『重い』人たちが戦います。その中でロイ・ジョーンズは信じられないようなスピードで動き回る。

今回の対戦相手のリチャード・ホールって言うのはジョーンズより一回りほど背が高く、当然腕も長い。スピードもこのクラスとしてはまあまあ。しかし、ジョーンズはまったくお構いなし。相手のパンチが届かない距離から一気に間合いを詰めてパンパンとパンチを当てて、1ラウンドに2度のダウンを奪い、あとは一方的なペース。
いつ相手をKOしてもおかしくないのだが、慎重なジョーンズは決して無理をせず、11ラウンドまで試合を引っ張ってしまう。11ラウンドにラッシュを見せ、いつ試合を止めようかとうかがっていたレフリーがようやく試合を止める。

ボクシングの世界には『パウンド・フォー・パウンド』という言葉がある。

これは、いろんな階級(体重によるクラス分けね)に分かれているボクシングの世界で、もし各階級の王者たちが同じ条件で(まあ現実にはありえないことね)戦ったとした場合最も強い王者は誰か。永遠に答えの出ないこの問いに対するひとつの答えが『パウンド・フォー・パウンド』の称号。すべての王者の中で最も優れていると多くの人が思っている王者に与えられる称号である。

ロイ・ジョーンズはまさにこの『パウンド・フォー・パウンド』と呼ばれるにふさわしい選手である。一度この選手の試合を見る機会があったらぜひ見て欲しい。そして、同じ階級の選手の試合をその後見て欲しい。まるで動きが違うことがわかるだろう。

こんなすばらしい選手の試合を見れるのは幸せである。そう思わせる選手であると私は思っている。