坂本博之という男
土曜日に行われた試合のビデオを見た。
なぜに、彼にはこう苦難の道が待ち構えているのか。
柔道の田村亮子はオリンピックの最後の1戦でいつも勝てなかった。
それまでの試合はすべて勝っているのに、最後の最後の一戦で悔し涙。
そして、次のオリンピックまでまた連戦連勝。そして迎えたオリンピック。順調に勝ち進み、そして最後の一戦。
また勝てなかった。
そんな彼女がシドニーではようやく金メダルをつかんだ。
たとえにも何にもなっていないのかもしれないが、ビデオを見てそんなことが頭によぎった。
坂本博之は何度かチャンスがあった。
畑山戦は完敗だったが、ジョンストン、パサン、セラノ。あとわずか及ばなかった。セラノは思い出したくもないが、1Rにあと一度ダウンを奪えれば坂本の夢はかなっていたのだ。
それが及ばなかった。チャンスをつかめなかった。あと一歩のところまで行ったのだ。
そして、今回。
最終回に打ち砕かれた。
田村亮子は悲願の金メダルをつかんだ。
坂本博之は、はたして、悲願の世界チャンピオンのベルトをつかむことは出来るのであろうか。そして、そのチャンスを迎えることは出来るのであろうか。
ビデオを見て、そんなことを思った。